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 太陽光パネルの廃棄等費用積立制度
そら
以前のブログで、資源エネルギー庁と環境省が廃棄放置の防止やリサイクルを円滑にする仕組みを整える方針を打ち出していることを紹介しましたが、具体的な積み立て制度ってどんなものなんですか?
おおなる

具体的にリサイクルを円滑にするための仕組み、太陽光パネルの廃棄等費用の外部積立制度について深掘りしていきたいと思います。

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1.「廃棄等費用積立ガイドライン」これまでとこれから

「廃棄等費用積立ガイドライン」の総則を紐解きつ、これまでとこれからを整理します。

【2012年7月】
再エネ特措法に基づくFIT制度が導入されたことにより、発電事業への新規参入を含めた再生可能エネルギーに対する投資が呼び込まれ、再生可能エネルギーが急速に拡大し、中でも太陽光発電事業を中心に導入が拡大しました。

他方、太陽光発電事業は、参入障壁が低く、様々な事業者が取り組むことに加え、事業主体の変更が行われやすいこと、また、太陽光パネルには、鉛・セレン等の有害物質が含まれていることなどから、発電事業の終了後、太陽光発電設備が放置・不法投棄されるのではないかといった懸念が生じました。

太陽電池モジュール排出見込量

そもそもFIT制度は・・・、

  • 太陽光発電設備の解体・撤去及びこれに伴い発生する廃棄物の処理は、発電事業者の責任の下、廃棄物処理法等に基づき行われる必要がある
  • 事業用太陽光発電(10kW 以上)については、制度創設以来、廃棄等に必要な費用を想定した上で、その廃棄等費用を織り込んで調達価格を決定してきた。

そのため、認定事業者には、調達期間終了後(基本的には運転開始後 20 年が経過した後)に備えて、廃棄等費用を積み立てることが期待されたが、従前、その実施率は低かった

【2018年4月】
そのため、2018年4月の事業計画策定ガイドラインの改正で、事業用太陽光発電設備(10kW以上)に対し、廃棄等費用の積立てを遵守項目にした。

また、同年 7 月から再エネ特措法施行規則に基づく定期報告において、運転開始後に積立ての進捗状況を報告することを義務化した

そら

ただ、この改正でも、積立ての水準や時期は事業者の判断に委ねられていたこともあり、2019 年 1 月末時点の定期報告でも、積立ての実施率は低い状況(16%程度)だったそうです。

【2019年1月】
こうした状況等を踏まえて、「総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」においては、太陽光発電事業者による廃棄等費用の積立てを担保するための施策について検討が進められました。

そして、同小委員会の中間整理(第2次・2019年1月)において、

太陽光発電設備の廃棄等費用

  • 原則として源泉徴収的な外部積立てを求めることを基本とする。
  • 長期安定発電の責任・能力を担うことが可能と認められる事業者に対しては内部積立てを認めることも検討する。という方向姓が取りまとめられ、具体的な制度設計について検討することが決められました。
おおなる

また、積み立てに関して改善命令に従わない事業者には認定取り消し処置もあると下記のように明記がされています。

「なお、本ガイドラインで遵守を求めている事項に違反した場合には、認定基準に適合しない事業として、再エネ特措法第12条(指導及び助言)、第13条(改善命令)、第 15 条(認定の取消し)、第15条の6(積立命令)、第15条の11第1項(返還命令)に規定する措置が講じられることがあることに注意されたい。また、本ガイドラインに記載する事項については、全て認定事業者又は買取義務者の責任において実行すべきものであることに注意されたい。」

2.廃棄等費用積立制度の概要とその運用について

10kW以上の太陽光発電設備は、売電収入から廃棄費用が差し引かれる

太陽光発電システムの稼働後10年目以降、FIT 終了まで発電量に応じた金額(買取金額から控除された解体等積立金額)を源泉徴収型で、買取事業者経由で積立金の管理者へ積立てられます。
また認定年度によって想定される解体等積立金額が異なります(次頁「廃棄費用として積み立てる積立金の額」を参照)。

積立が開始するのは「FITの調達期間が終わる日の10年前から」になっています。
従って2013年7月1日にFITを導入した場合、2023年7月1日から積立が開始されます。

※2012年6月30日までにFIT制度を利用して運転開始した発電所についても、2023年7月1日の制度開始と同時に廃棄費用の積立が行われます。

積立制度のイメージ

廃棄等費用として積み立てる積立金の額

積立金は「積立基準額」×「売電量」で求めることができます。
積立基準額は「FIT認定年度」や「入札区分」「容量」によって変動します。解体等積立基準額は、上表の赤枠部分です。

なお、外部積立機関として【電力広域的運営推進機関】があるので、参考にしてください。

3.廃棄等費用積立金を払い戻すには…。

積立金の払い戻しを行う場合には、複数の書類を作成し、推進機関に提出する必要があります。

廃棄等費用積立金の払い戻しに必要な書類

・申請書
・印鑑証明書
・認定事業者であることを証明する書面(認定事業者が申し込む場合)あるいは、 認定事業を承継したことが証明できる書面(承継人が申し込む場合)
上記に加えて、解体前に申し込むか、解体後に申し込むかで必要な書類が変わってきます。
解体前に行う場合は、解体・撤去業者との契約書の写しなど「解体を行うことが証明でき、その費用がわかる書類」が必要です。
解体後に申請する場合は、「解体したことが証明でき、その費用がわかる書類」が必要となります。
・解体・撤去業者との契約書の写し
・産業廃棄物管理表
・現場の写真
・領収書など
※詳しくは、推進機関に問い合わせ下さい

廃棄等費用も見据えて、適切なメンテナンスを!

そら

積立金制度が運用されるようになった=太陽光パネル等の廃棄はやはり費用がかかるものだ。ということでしょうか。

おおなる

廃棄等費用を適切に残すためにも、維持・管理のためのメンテナンスが必要不可欠になってきます。しかし、低圧発電所は売電による投資目的で運用されているものが大半であり、費用対効果を見つつメンテナンスを行うことも重要です

費用対効果を見るに当たって、行うメンテナンスがどれだけ売電収入に貢献するか、という視点で判断するといいでしょう。
売電収入は発電量に直結します。つまりは「得られる発電量」と、「発電量を維持するためのメンテナンスコスト」を照らし合わせて判断するのが理想です。

ジオリゾームでは、「元の発電量がどれだけ維持できているか」を見る「発電量解析」を行い、メンテナンス費用負担を最小限に抑えつつ発電量をアップさせるメンテナンスサービス【お元気メンテ】を提供しています。

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